軽量で扱いやすく、車両への負担も少ない非金属タイヤチェーンは、特に雪道や凍結した路面でのグリップ力を向上させるために非常に効果的です。
しかし、タイヤチェーンを正しく装着することができなければ、その効果を最大限に引き出すことはできません。
「金属製のタイヤチェーンは、取り付けが大変そう…」
「ゴム製タイヤチェーンなら、簡単に取り付けできるのかな…」
そんな疑問をお持ちのあなたへ。
最近では、非金属タイヤチェーンも改良がドンドン進み、装着が以前より格段に容易になってきています。
しかしまだ、いくつかの困難ポイントもあります。
そのポイントに注意しながら取り付けていけば、雪道に不慣れな方でも、楽に装着できることでしょう。
チェーンを取り付ける事前準備が重要
困難ポイントをクリアーするコツを知って、事前練習しておこう
タイヤチェーンは金属と非金属どっちがいい?
非金属タイヤチェーンの寿命は?
非金属タイヤチェーンの付け方

タイヤチェーンを取り付ける事前準備
タイヤチェーンの簡単な付け方
タイヤチェーンの取り付けは女性でも簡単?
タイヤチェーンの取り付け金属とは?
初めての方や雪道に不慣れな方が非金属(ゴム)タイヤチェーンを取り付けるのは、まだまだ困難な作業です。
具体的にどんなところが困難なのか、1つづつ見ていきましょう。
取り付ける際、そのポイントに注意しながら進めていけば、きっと楽に取り付けできるでしょう。
主に困難なポイントは6つあります。
<困難ポイント>
① チェーンの表裏を間違えると取り付けできない。
② タイヤ回りの雪を落とさないとフックが届かなくなる。
③ チェーンをタイヤの裏側を通さないといけない。
④ 裏側のジョイントを接続するのにタイヤとフェンダーの間が狭い。
⑤ 表面のフックを接続するのが届かない。
⑥ 回転バックルの締め付けができない。
日頃から練習し、これらの点の対処に慣れるようにしましょう。
タイヤチェーンを取り付ける事前準備
雪が降る寒い中で、タイヤチェーンを取り付けることは非常に困難が伴います。
早い人でも20〜30分は、作業しなければいけません。
もし、夜に取り付ける状況になってしまったら、よけいに難しい作業になるでしょう。
少しでも楽に作業できるように、事前準備はしっかりとしておきましょう。
【用意するもの】
・ 非金属タイヤチェーン
・ 取扱説明書 (必ず事前に、作業工程をイメージしながら確認しましょう)
・ 折り畳みスコップ
・ 作業用手袋 (軍手などではなく、防水ゴム製の肘までカバーするタイプ)
・ レインパンツまたはブルーシート(膝を付いて作業するため)
雪が降る寒い中で、中腰で何十分も取り付けするのはつらい作業です。
膝を付いて作業した方が体が楽ですし、効率的に取り付けが進められます。
また、手袋に一般の軍手を使うことは避けましょう。
水を吸って、よけいに指先が凍えてしまい、作業が困難になってしまいます。
肘まである防水手袋の下に軍手をはめて、二重にすれば防寒にもなっていいでしょう。
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タイヤチェーンの簡単な付け方
初心者でも、非金属タイヤチェーンを安心して取り付けられる、コツをご紹介します。
まずは購入の際、広げたときに片側が開いて「ハ」の字の形になる非金属(ゴム)タイヤチェーンを選びましょう。
【作業手順】
1. 安全な場所に車を停車
路肩など、安全な場所に車を停車させ、エンジンを切りましょう。
周囲の安全を確認し、三角板の設置、ハザードランプを点灯してください。
2. チェーンの準備
非金属(ゴム)タイヤチェーンを取り出し、絡まっていないか、ねじれがないこと確認します。
表裏の向きを確認しながら、地面に「ハ」の字に広げます。(困難ポイント①)
3. タイヤ回りの雪を落とす
タイヤに雪が付着してる状態でチェーンを取り付けようとしても、後でフックが穴に届かなくなります。(困難ポイント②)
タイヤ回りに付着した雪や、タイヤハウスに詰まっている雪は、スコップなどで落としておきましょう。
4. タイヤの裏側を通す
非金属タイヤチェーンを、タイヤの裏側に回り込ませます。(困難ポイント③)
チェーンの両端が、タイヤの左右から前に出るようにします。
* 雪が積もっている中の作業だと、タイヤの裏まで腕を伸ばしていかないと、チェーンが通っていきません。
膝を付いての作業になりますので、レインパンツを履いて作業するか、ブルーシートを敷きましょう。

5. 内側(裏側)の接続ジョイントを留める
タイヤチェーンの左右どちらかを、タイヤ上部に持ち上げます。
その部分を押さえながら、もう一方の片側をタイヤ上部に持ち上げます。
そして、チェーン両端を持ちながら、上に向かって強く引っ張ります。
このときに、タイヤチェーンの内側下のワイヤー部分が、ドライブシャフトに当たるくらい上に持ち上げてください。
タイヤの内側(裏側)部分のジョイントを留めます。(困難ポイント④)
* このタイヤハウスの間に手を突っ込んで、裏側の接続バックルを留めることが一番の山場作業です。
タイヤハウスは隙間が狭かったり、雪が詰まってたりすることが多く、また、奥の接続部分が見難いので困難な作業になります。
この作業のとき、先にタイヤ全体にチェーンを広げてしまうと、内側(裏側)の接続ジョイントが届かなくなってしまう場合があります。
まずは、内側(裏側)の接続ジョイントを留めることを第一にしましょう。
6. チェーンをタイヤ全体に広げる
タイヤの内側(裏側)部分のジョイントが留まっているので、非金属(ゴム)タイヤチェーンを、タイヤ全体に均等に広げます。
7. 外側の接続フックを留める
チェーン外側の接続フックを留めます。
全体にバランスよく被せられていない場合や、手順3.でタイヤの雪を落としきれてないと、接続フックが届かず留まりません
手前に引っ張る、左右に揺さぶるなどして、バランスを整えてください。(困難ポイント⑤)
8. 回転バックルで締める
付属のレンチで回転バックルを締め付けます。(困難ポイント⑥)
数ヶ所留めていきますが、地面に近いところから締めるようにしましょう。
*上から締めて最後に地面に近いバックルを留めようとすると、悪い体勢で一番強い力で回転させる必要があります。
レンチが滑って地面に手を打ちつけるなど、思わぬケガの元になってしまいます。
ただし、順番が指定されているタイプのものもありますので、取扱説明書を読んでください。
* 回転バックルではなく、長めのワイヤーで接続し、走行中に自動で締まっていくタイプのチェーンもあります。
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8. 緩みの確認
少し走行して、タイヤチェーンに緩みや、金具の外れが無いか確認してください。
タイヤにしっかりとフィットしていることを確認しましょう。
タイヤチェーンの取り付けは女性でも簡単?
従来の金属製チェーンとは異なり、軽量素材を使用した非金属タイヤチェーンは、女性でも軽々扱えるのが魅力です。
しかし、雪の中での作業は、困難なことが多いです。
日頃から、非金属(ゴム)タイヤチェーンを取り付ける練習をして、慣れるようにしましょう。
それでも難しい場合は、より取付簡単な布製チェーンを検討しましょう。

タイヤチェーンの取り付け金属とは?
取り付け金属の役割
非金属タイヤチェーンには、主に以下のような金属部品が使用されています。
・ フック
チェーンをタイヤに固定するための、金属製のフックです。
しっかりとした固定力を持ち、走行中にチェーンが外れないようにします。
・ クリンチ
チェーンの端を締めるための金属部品で、チェーンがタイヤにしっかりとフィットするように調整します。
これにより、チェーンの緩みを防ぎます。
・ スプリング
一部の非金属タイヤチェーンには、チェーンの張り具合を調整するためのスプリングが組み込まれていることがあります。
走行中の振動や衝撃に対して、チェーンが柔軟に対応できます。
使用前後に金属部品の状態を確認し、破損や腐食がないかチェックしましょう。
異常があれば、すぐに交換することが重要です。
非金属タイヤチェーンの付け方│疑問点

タイヤチェーンは金属と非金属どっちがいい?
非金属タイヤチェーンは何年持つ?
タイヤのチェーンは前と後ろどっちにつけるの?
非金属タイヤチェーンの付け方│総括
非金属タイヤチェーンに関する、素朴な疑問点について解説します。
タイヤチェーンは金属と非金属どっちがいい?
金属製と非金属製タイヤチェーンの、それぞれの特長を比較します。
■ 金属製タイヤチェーン
・ 特長
優れたグリップ力
金属製のチェーンは、雪や氷の上で優れたグリップ力を発揮します。
特に積雪が多い地域や急な坂道では、その性能を最大限に発揮します。
耐久性
金属製は非常に丈夫で、長時間の使用に耐えることができます。
何度も使用する必要がある場合には、その耐久力が頼りになります。
経済的
一般的に、金属チェーンは非金属チェーンよりも安価で購入できます。
・ おすすめの状況
冬季を通して積雪が多く、常に雪道を走行する必要がある地域。
山間部や坂道の多い地域への長距離ドライブ。
長期使用を想定する場合。
■ 非金属製タイヤチェーン
・ 特長
軽量で取り付けが比較的容易
非金属製チェーンは、素材がプラスチックやウレタンなど柔らかいものが多く、取り扱いが比較的容易です。
初めてチェーンを使用する方や、力に自信がない方でも安心して装着できます。
静粛性と乗り心地
走行時の騒音が少なく、振動も緩和されるため、快適なドライブを楽しむことができます。
また、燃費への影響も少ないです。
車へのダメージを軽減したい
非金属チェーンは、金属チェーンよりも車へのダメージが少ない素材を使用しています。
・ おすすめの状況
雪が降る頻度が少なく、突発的な降雪に備えたい場合。
市街地や高速道路での使用がメインの場合。
簡単に取り付け外しをしたい場合。
■ 選択のポイント
・ 用途と頻度によって選ぶ
通常の通勤や軽い雪の日常使いには非金属を、頻繁にチェーンが必要な環境では金属製を選ぶとよいでしょう。
・ 乗り心地を重視するか、グリップ力を重視するか
静粛性と快適な乗り心地を求めるなら非金属、最大限のグリップを求めるなら金属が適しています。
最終的に、自分の運転環境や利用頻度、取り付けのしやすさなどを考慮して選ぶことが最良の決定につながります。
非金属タイヤチェーンは何年持つ?
一般的に、非金属タイヤチェーンの寿命は、約3~5シーズンと言われています。
特に非金属タイヤチェーンについては、その素材や使用頻度、走行距離、路面状況によって寿命が異なります。
・ 寿命を延ばすためのコツ
1. 使用後の手入れ
使用後はしっかりと汚れや水分を拭き取り、乾燥させてから保管しましょう。
錆や劣化を防ぐことで、寿命を延ばすことができます。
2. 正しい保管方法
直射日光を避け、湿気の少ない場所に保管することが大切です。
プラスチック製のケースや袋に入れておくと良いでしょう。
3. 適切な装着方法
正しい装着を心がけ、過度に負荷がかかることを避けます。
・ 交換の目安
非金属タイヤチェーンは、見た目や使用感で劣化を判断することができます。
チェーンにひび割れや破損が見られる場合
使用後に異常な摩耗が確認できる場合
取り付けが難しくなったり、フィット感が悪くなった場合
以上のような状態になった場合は、交換を検討しましょう。
タイヤのチェーンは前と後ろどっちにつけるの?
基本的には、駆動輪にチェーンを装着することで、雪道や凍結路面でもスリップを抑え、しっかりと地面を蹴って走行することができます。
非金属タイヤチェーンの付け方│総括
ここまで、誰でも簡単に装着できる 非金属タイヤチェーンの正しい付け方をご紹介しました。
✅ 装着の手順を簡単おさらい!
- 安全な場所に車を停車し、三角板を置く、ハザードランプを点灯します。
- オモテウラを確認し、タイヤの裏側を通します。
- 内側のバックルを留めるため、チェーンをなるべく上に持ち上げます。
- 非金属タイヤチェーンをタイヤ全体に均等になるように広げます。
- チェーン外側の接続フックを留めます。
- 回転バックルで締め付けます。
- 車を少し動かしてチェーンが正しく取り付けられているか確認します。
重要なことは、日頃から練習して、作業に慣れることです。
それと防水手袋や膝を付いて作業するためのレインパンツなど、作業前の準備も重要です。
これまで苦手にしていたタイヤチェーン取り付け作業が、少しでも楽になってくれると嬉しいです。