タイヤのタイプと選び方の基本│安全で快適な走行のために押さえるべきポイント

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何種類ものタイヤが積み上がっているメンテナンス

自動車にとって、欠かすことのできない重要なパーツ。
それが言わずと知れたタイヤです。

0.1秒、0.01秒を競う自動車レースの最高峰F1では、レース中、タイヤの内部温度、圧力、表面温度を常にモニターしているくらい重要視されているパーツです。
しかしタイヤの基礎的知識などを知らずに、意外と安易に選択されているのが実情です。
タイヤは、一度購入すると5年前後は使い続けることになり、自動車の性能に長い間影響を与え続けることになります。

また最近は、エコタイヤ、ランフラットタイヤ、オールシーズンタイヤなど、技術の進化によって、さまざまな選択肢も増えています。
この記事では、タイヤの種類と基礎知識について解説いたします。

フジ・コーポレーション

タイヤの種類

タイヤには大まかに分けて、ラジアルタイヤ、スタッドレスタイヤ、オールシーズンタイヤ、ランフラットタイヤがあります。
それぞれについて解説します。

ラジアルタイヤ

ラジアルタイヤは、中のコードがラジアル(タイヤの中心から放射状に配置されている)に構造化されており、高い耐久性と柔軟性を持ちます。
この構造により、操縦性や安定性が向上し、発熱が少なく、転がり抵抗も低いため、燃費性能が優れています。
ラジアルタイヤは高速走行時の乗り心地も良好で、一般的な乗用車や商用車で使用され、静粛性や乗り心地の良さが特徴です。
グリップ力と排水性に優れたドライ性能とウェット性能を兼ね備えており、一般道の走行に適しています。
ただし、雪道や氷道でのグリップ力が弱いため、冬期間の走行には適していません。

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤは、ラジアル構造を基本としつつ、特殊なゴム素材と溝パターンを採用しています。
冬季や氷や雪の道路でのトラクション(グリップ力)を向上させるために設計されています。
タイヤには表面に深い溝とサイプ(細かな切れ込み)が刻まれ、雪や氷をしっかりと噛み込むことでグリップ力を高めています。
また、特殊なコンパウンドを使用しており、低温下でも硬化せずに柔軟性を保つことができます。
このため、凍結路面でも安定した走行を実現します。
スタッドレスタイヤは冬用タイヤとして使用されることが一般的で、積雪地域や寒冷地での運転時に安全性を高める効果があります。
スタッドレスタイヤは、雪道や氷道でのグリップ力に優れていますが、一般道の走行では苦手にしている部分もあります
柔らかいコンパウンドのため、乾いた路面ではグリップ力が弱く、車高の高い車などでは、少々フワフワした感覚を持つかも知れません。
また、タイヤノイズが大きいため、不快に感じる方もいることでしょう。
燃費も、ラジアルタイヤに比べ悪化します。

オールシーズンタイヤ

オールシーズンタイヤは、四季全てに適応しようとしたマルチ用途のタイヤです。夏季や冬季を問わず、幅広い気候や道路条件で使用することができます。
トレッドパターンは、乾燥した路面、湿った路面、軽い雪道に対応できるように設計されています。
オールシーズンタイヤは、ラジアルタイヤとスタッドレスタイヤの中間的な性能を備えており、バランスした性能を持つことが特徴です。
雪道や氷道でのグリップ力はスタッドレスタイヤに劣るものの、一般道の走行にも適しています。
タイヤの履き替えが不要で、保管スペースも取らないため、手間が省けます。
オールシーズンタイヤは、比較的温暖な地域や降雪量の少ない地域での使用に適しています。
豪雪地帯や積雪・凍結の多い地域では、十分なグリップ力を確保できないため、冬期間はスタッドレスタイヤへの交換が必要です。

ランフラットタイヤ

ランフラットタイヤとは、タイヤ内の空気が抜けてしまっても、一定の速度と距離であれば車を支え、走行を続けることができるタイヤのことです。
通常のタイヤよりも頑丈なサイドウォールを持っているため、空気が抜けた状態でも車重を支え、ある程度の速度で走行することが可能です。
パンク時にタイヤがバーストせず、コントロールを失うリスクを軽減できます。
高速道路など危険が伴う状況でも、安全な場所まで移動することが可能です。
また、ビード部分(リムと接触する部分)も強化されており、リムからタイヤが外れにくくなるように設計されています。
これにより、空気圧が失われた場合でもタイヤがしっかりとホイールに固定されます。
パンク修理のために道路脇で時間を浪費することなく、安全な場所まで走行できるため、交換の手間を省くことができます。
ランフラットタイヤを装着している車両は、通常スペアタイヤやジャッキなどの搭載が不要になるため、トランクのスペースを有効活用できます。
また、車両重量を軽くできるため、燃費向上に貢献します。

デメリットとしては、通常のタイヤに比べて、乗り心地が硬く感じられることがあります。
タイヤプレッシャーモニタリングシステム(TPMS)、専用ホイールの使用が推奨されます。
まだ、サイズに限りがあるため通常のタイヤより価格が高く、交換作業も特殊な技術が必要です。
パンク修理は原則として不可能で、交換作業も専門的な技術が必要なため、工賃が高くなることがあります。

タイヤのキホン

タイヤショップで展示されてるタイヤ

グリップ力

グリップ力とは、タイヤが路面に対してどれだけしっかりと張り付いているかを示す性能の指標です。
これは、加速、ブレーキ、そしてコーナリングを安全に行うために非常に重要です。
グリップ力が高いほど、車両はしっかりと路面を捉え、スリップしにくくなります。

グリップ力に影響を与える要因
1.タイヤの素材とデザイン
タイヤのコンパウンド(ゴムの材料)やトレッドパターン(タイヤの溝のデザイン)は、グリップ力に大きく影響します。
柔らかいコンパウンドは高いグリップ力を発揮しますが、耐久性が低くなる傾向があります。
一方、硬いゴムは耐久性が高いですが、グリップ力は低下します。

空気圧

正しい空気圧を維持することは、非常に重要です。
空気圧が低すぎると、接地面積が増えすぎて不安定になり、高すぎると接地面積が減少し、グリップ力が低下します。

タイヤの劣化、摩耗

タイヤはゴム製品のため、時間の経過とともに硬化し、グリップ力が低下します。
タイヤの溝が減ると、路面との接地面積が減り、グリップ力が低下します。

路面状況

ウェット、ドライ、スノーコンディションなど、路面状況によって必要なグリップ力は異なります。
各種条件に適したタイヤを選ぶことで、最適なグリップを得ることができます。

温度

高温下ではタイヤが柔らかくなり、グリップ力が増す一方で摩耗が早まります。
逆に低温時には硬くなることで、グリップ力が低下します。

転がり抵抗

転がり抵抗とは、タイヤが路面を転がる際に生じる抵抗力のことです。
この抵抗が少ないほど、車はエネルギー効率よく走行することができ、燃費の向上につながります。
転がり抵抗が1グレード良くなると、燃費が約1%程度改善されるとされています。
一方で、抵抗が大きいとエンジンに負担がかかり、燃料消費が増加します。
転がり抵抗は、主に以下の3つの要因から発生します。

タイヤの変形

タイヤが地面に接触することで、タイヤのトレッド部分が変形します。
この変形は、タイヤが回転するたびに繰り返され、エネルギーが熱として浪費されます。
タイヤの変形が転がり抵抗に与える影響は、全体の約90%を占めるとされています。

接地摩擦

タイヤと路面との間で発生する摩擦も、転がり抵抗の一因です。
路面の状態やタイヤのトレッドパターンによって、摩擦の大きさは変わります。
特に、濡れた路面や凹凸のある路面では摩擦が増加し、転がり抵抗が大きくなることがあります。

空気抵抗

タイヤが回転する際に発生する空気抵抗も、転がり抵抗に寄与します。
特に高速走行時には、空気抵抗が無視できない要素となります。

排水性

ラジアルタイヤの表面

排水性とは、タイヤが路面と接触する際に生じる水をいかに効率よく排出できるかを示す性能です。
排水性が高いタイヤは、雨天時でも優れたグリップ力を発揮します。
これは、水膜によるハイドロプレーニング現象(車が水の上を滑ってしまう現象)のリスクを低減し、安全な走行へとつながります。

排水性に影響を与える要因

トレッドパターン

タイヤのトレッド(接地面のパターン)は、排水性に大きな影響を与えます。
特に、縦溝と横溝の配置が重要です。
縦溝は水を後方に排出し、横溝は水を横方向に流す役割を果たします。
これにより、タイヤが水を効率的に排出し、接地面を確保します。

溝の深さ

タイヤの溝は、深さが十分にあるほど、排水性を確保することができます。
タイヤの溝が深いほど、排水性は向上します。
新品のタイヤは十分な溝があり、雨水を効果的に排出できますが、摩耗が進むと溝が浅くなり、排水機能が低下します。

タイヤの幅

広いタイヤは接地面積が広がるため、より多くの水を排出しなければならず、場合によっては狭いタイヤより排水性が低下することがあります。
これは溝のデザイン次第で改善できます。

タイヤの素材

タイヤのゴムコンパウンドも排水性に影響を与えます。
柔らかいゴムは路面に密着しやすく、排水性を高める効果がありますが、耐久性が低下することもあります。

まとめ

タイヤの選択は、使用環境や車両の用途に合わせて検討する必要があります。

ラジアルタイヤは一般的な普段使いや高速走行に適していますが、スタッドレスタイヤは冬季の凍結路面での安定性を、オールシーズンタイヤは季節の変化に応じた運転環境に対応します。
また、ランフラットタイヤは、タイヤ内の空気が抜けてしまっても、一定の走行を続けることができますが、乗り心地が硬くなる、高価であるなどのデメリットもあります。

タイヤの基礎知識であるグリップ力とは、タイヤが路面に対してどれだけしっかりと張り付いているかを示す性能です。
転がり抵抗とは、タイヤが路面を転がる際に生じる抵抗力のことで、排水性とはタイヤが水をいかに効率よく排出できるかを示す性能です。

タイヤの基礎知識を持ち適切なタイヤを選択することで、安全で快適なドライブを実現できます。

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